サンタスザーナ野外実験所で、メルトダウン事故が発生。(米国内初)

(1959年07月13日)

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https://ja.wikipedia.org/wiki/サンタスザーナ野外実験所

ラクバウム氏によると、
SREでは
発生した事故を
早期に解決するためのチャンスは
多くあったにもかかわらず
ことごとく逃したとのこと。

1958年後半に
初めてテトラリンが一次ループで漏れ出た原因は
液体ナトリウムの流入経路の設計上の問題でした。

しかし、1959年6月に
別のテトラリン漏れが起こるまで
この設計上の問題に
手がつけられることはありませんでした。

1959年6月に
テトラリン漏れが発生したときには、
テトラリンが燃料と熱交換器の表面を
覆っていた可能性が強く推察されたのに、
液体ナトリウムからテトラリンを除去したのみで、
テトラリンが内部表面を覆っていないか
確かめることはありませんでした。

また、ラクバウム氏は「後知恵」の弊害を指摘しています。

例えば、燃料を目視で検査し残留物を取り除いた後に
臨界を達成するために
想定外の位置まで
制御棒を引き抜かねばならなかったと結論づけていますが、
事故が発生した後の常識を、
事故が発生する前の時点に持ち込むことは不可能であり、
さらに事故後に
事故当時の状況を理解することの難しさ
についても指摘しています。

たとえ完璧と思えるほどの安全策を採ったとしても、
人間が運用する以上、
危険を完全に回避することは難しいということを
「サンタスザーナ野外実験所」での
メルトダウン事故は教えてくれますが、
この事故は
発生後もアメリカ政府によって
徹底的に隠蔽されて
表に出ることはありませんでした。

その後、1979年に
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の学生による調査で
事故の存在が明るみになり、
健康不安を訴える周辺住民からの求めに応じる形で
ようやく2012年に環境保護局(EPA)が
地元で公聴会を開催して
基準値の1000倍のセシウム137が
検出されたことが発表されました。

このスリーマイル島原子力発電所事故を上回る
アメリカ最大の原発事故については、
依然として放射性物質の
完全な除去作業は完了していません。

http://gigazine.net/news/20160706-santa-susana-nuclear-disaster/

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