欧州議会選挙で「ドイツのための選択肢」(AfD)が議席を獲得。

(2014年05月)

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ドイツでは結成されてまだ日の浅い AfD が、
2014 年 5 月の欧州議会選挙で初議席を得たあと、
8 月と 9 月に実施された 3 つの州議会選挙でも
相次いで議席獲得に成功した。

AfD は
通貨ユーロから離脱して
マルクを復活させるべきであるとか、
移民規制を強化するべきなどと主張しているが、
具体的な政策としてまだあいまいな部分が多く、
保守と捉えるべきか、
極右と位置づけるべきかはっきりしない。

ただ、明らかに、
既成政党に対する不満の受け皿となって
支持を伸ばしている。

なお、ドイツの失業率は 2009 年半ば以降は低下傾向にあり、
「移民の流入で職を奪われた失業者の不満」が
社会問題化しているわけではない。

むしろ AfD が議席を獲得した 3つの州議会が
いずれも旧東ドイツ地域に属する点が重要なのかもしれない。

1989 年 11 月にベルリンの壁が崩壊してから 25 年が経過したが、
東西の経済格差は依然として残っている。

旧東ドイツ地域は経済的に旧西地域に見劣りし、
失業率は相対的に高い。

移民が実際に居住しているのは
旧西ドイツ地域の方がずっと多いのだが、
移民増加に対する漠然とした不安は
旧東ドイツ地域の方が高いのである。

https://www.dir.co.jp/report/research/economics/japan/20141118_009142.pdf

https://ja.wikipedia.org/wiki/ドイツのための選択肢

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