メルケル首相が党の代表を辞任する意向を表明。(州選挙で大敗し続けたため)

(2018年10月29日)

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10月29日、メルケル首相が唐突に、

①12月のCDU(キリスト教民主同盟)の党首選には立候補しない、
②2021年で首相の任期が切れたら、もう首相候補としては立たず、
③すべての政治活動から身を引く、と宣言した。

つい最近までずっと、CDUの「党首」と「首相」は
セットだと言い張っていた彼女だが、
急遽、前言を翻し、「党首」は辞めて、
「首相」の方だけあと3年、
任期が終わるまで続けるつもりらしい。

2021年の総選挙で
首相候補として立たないとわざわざ宣言したのは、
「その前に引退するつもりはない」という意味である。

なぜ、突然、この宣言がなされたかというと、
その前日、ヘッセン州の州議会選挙で、
自党CDU(キリスト教民主同盟)が
壊滅的に票を減らしたからだ。

CDUの没落は予想通りだったとはいえ、
その程度が下馬評よりもさらに激しかった。

CDUは得票率を38.3%から27.0%と、
11.3ポイントも下げた。

ヘッセン州は、ドイツ経済の中心地、
フランクフルト市のある州だ。

この5年間、CDUと緑の党の連立政権だったが、
そのあいだに景気は向上しており、
州首相の人気が落ちたわけでも、
州民の不満が高まっていたわけでもなかった。

だから、CDUの落ち込みは、
ヘッセン州の現政権の否定というよりも、
ベルリンのメルケル首相への抗議票であると解釈されている。

その代わりに急伸したのが、
左翼の緑の党と、
極右と呼ばれているAfD(ドイツのための選択肢)だ。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58276

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