西ドイツが「児童手当規則」を改正。(家族の呼び寄せを促進)

(1975年)

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いったん帰国すると
もはや再募集の機会がないという状況は,
外国人労働者を継続滞在へ決意させるとともに,
彼らの家族呼び寄せを本格化させた。

そして,この家族呼び寄せに
さらに拍車をかけたのが,
1975年の児童手当規則(Kindergeldregelung)の改正であった。

それまでの児童手当の支給範囲が拡張されるとともに,
支給額が大巾に引き上げられたのである。

その結果,
児童の帰国が減り,
逆に家族と共に
多くの児童が呼び寄せられることになった。

1974年から1977年までの4年間は,
外国人労働者をめぐる問題状況を
完全に変質させた。

労働市場の必要に応じて
外国人労働者を調達し
不必要になればこれを送り返すという
受け入れ国の雇用政策理念と,
これに呼応した外国人労働者の
出稼ぎ労働者(ガストアルバイター)としての自己理解は
共にその現実的意味を喪失してしまった。

「大部分の外国人労働者は
家族と共に西ドイツに定住しているという,
もはや引き返すことのできない発展方向へ
転轍器が入れられた」のであった。

外国人労働者は,この4年間に
出稼ぎ型のガストアルバイターから
定着型の外国人労働者へ変貌したのである。(p.23)

http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/8656/20120312190243/C050037000508.pdf

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