【橋本内閣】金融機関への公的資金を注入。(金融機能安定化法)
(1998年03月)大蔵大臣は、三塚博に代わって、
松永光(中曽根派→渡辺派→江藤・亀井派)。
金融機能安定化法(旧安定化法)に基づく資本増強実績一覧
https://www.dic.go.jp/katsudo/page_001198.html
1997年11月の三洋証券の経営破綻以降、
山一證券や
長銀の設立に関係していた北海道拓殖銀行が経営破綻した。
このような、日本の金融機関をめぐる経営環境が
日々悪化する中で、1998年(平成10年)3月、
金融機能安定化措置法案に基づく
金融危機管理審査委員会の決定により、
1,766億円の公的資金が注入される。
しかし、1998年3月期決算において
大野木克信頭取ら経営陣は
粉飾決算に手を染めた。(長銀粉飾決算事件)
不良債権処理に約8,000億円が必要と認識しながら、
実際には約6,000億円の処理にとどめ、
結果として71億円を違法配当し
有価証券報告書に虚偽記載をすることになる。
1998年、長銀は
スイス銀行(旧SBC・現UBS)と提携し
活路を見出そうとする。
この時、長銀は
「不良債権の抜本処理に必要な額は5,000億円」
と説明していたが、
スイス銀行は、その粉飾を見抜き
9,200億円が必要と主張、
交渉は膠着し時間だけが進展した。
結局、合弁の証券子会社である長銀ウォーバーグ証券を乗っ取られ
逆に市場で長銀株を空売りされるなど、
この提携は局面を打開するには至らなかった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/日本長期信用銀行
https://ja.wikipedia.org/wiki/第2次橋本内閣_(改造)
98年3月から2003年6月までに、
「金融機能安定化法」に基づく1兆8156億円、
「早期健全化法」に基づく8兆6053億円、
「預金保険法(危機対応)」に基づく1兆9600億円の
総額12兆3809億円が注入された。
その後は、三菱東京フィナンシャル・グループ、
住友信託銀行、横浜銀行、関西さわやか銀行が
完済するなど返済も進み、
返済額は8兆8617億円。(07年8月公表分まで)
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