【細見卓】いわゆる「細見メモ」の中で、円高誘導政策を提案。

(1985年10月)

memo_man.png

1985年10月頃,
大蔵省元財務官で
当時海外経済協力基金の総裁であった細見卓が
中曾根の依頼を受けて,

「円高にもっていくプロセス」

を描いた.

通称「細見メモ」と呼ばれるメモには,

「望ましい円・ドル相場を
1ドル=170―180円程度に設定し,
円を徐々にこのレベルまで誘導」

するとともに,

「政府の規制でガンジガラメなのに
国際競争力の弱い農業,流通,中小企業などの
構造改革を進めていくという長期展望」

などが記されていたという.

また,日米両国間の政策調整のために

「必要な米国の財政赤字削減を要請するのは当然だが,
実現性は問題であり(中略),
政策調整は主として
日本側でのアコモデーション(適応)になると
覚悟せねばならない」

との認識も示されていた.

このメモについて,細見は,

「複数の人から頼まれてまとめた.

中身は常識的なことで,
いろんな人の知恵を借りた.

強いていえば私は
(各項目)の並べ方を変えたくらい.

学者の世界でなら,
盗作といわれるかも知れない」と述べていた.

このように,
国際収支不均衡是正のため,
日本国内の構造改革が
必要であるとの認識が
次第に高まってきた (p.192-193)

http://www.esri.go.jp/jp/prj/sbubble/history/history_01/analysis_01_02_03.pdf

コメント