産業革命の波がヨーロッパ一円を覆う(工業化・都市化が推し進められ、「技術文明」が成立してゆく)

(1830年)

18世紀半ばから19世紀にかけて起こった工場制機械工業の導入による産業の変革と、それに伴う社会構造の変革のことである。市民革命とともに近代の幕開けを告げる出来事とされるが、近年では産業革命に代わり「工業化」という見方をする事が多い。ただしイギリスの事例については、従来の社会的変化に加え、最初の工業化であることと世界史的意義を踏まえ、産業革命という用語が用いられている。工業化ということも踏まえて、工業革命とも訳される。

「産業革命」という言葉が初めて使われたのは1837年、経済学者のジェローム=アドルフ・ブランキによってである。その後、1844年にフリードリヒ・エンゲルスによって広まり、アーノルド・トインビーが著作の中で使用したことから学術用語として定着した。もともとは1760年代から1830年代にかけてイギリスで起こった「最初の」産業革命を指した言葉だが、いわゆる発展段階論において市民革命と並んで、近代とそれ以前を分かつ分水嶺とされたため、イギリスを皮切りにベルギー、フランス、アメリカ、ドイツ、ロシア、日本といった風に順次各国でも産業革命が起こったとされた。
イギリスで産業革命が始まった要因として、原料供給地および市場としての植民地の存在、清教徒革命・名誉革命による社会・経済的な環境整備、蓄積された資本ないし資金調達が容易な環境、および農業革命によってもたらされた労働力、などが挙げられる。これらの条件の多くはフランスでもそれほど変わることはなかったが、唯一決定的に違ったのが、植民地の有無である。

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