フリードリヒ・シェリング『自由論』
(1809年)フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・シェリング(Friedrich Wilhelm Joseph von Schelling, 1775年1月27日 - 1854年8月20日)は、ドイツの哲学者である。イマヌエル・カント、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルなどとともにドイツ観念論を代表する哲学者のひとり。
カール・アウグスト・フォン・エッシェンマイヤーに「差別/有限性はどのようにして無差別から導出されるのか」と批判されたシェリングは、その問いに答える必要を感じ、『哲学と宗教』(1804年)を著した。そこでは彼の古い関心、「悪の起源の問題」が再び取り上げられており、有限性の生起は、本来同一であるものの頽落 (Abfall) によるとされた(なお、この著作自体の構想は1802年にはすでにあり、本来は『ブルーノ』の第2部として構想されていた。しかしシェリングとしてはなるべく早くこの問題を論じることを必要と感じ、著作を対話編としてではなく散文の論文で発表した)。しかしなぜ頽落が起こるのか、そのことはここでは十全には論じられていない(本著作のこの欠点はヘルマン・ツェルトナーらによって指摘されている)。この問題は、1809年の『自由論』で再び大きく取り上げられることになる。
生きた自然を復権することによって近代の物質的自然観を克服し、つまりは形而上学を克服しようと企てていた。
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