エトムント・フッサールが現象学派の研究機関誌『哲学および現象学的研究年報』を創刊、現象学の確立を世に知らしめる
(1913年)前期を代表する著書は『論理学研究』であるが、フッサールが著作活動を始めた19世紀のヨーロッパは後に「科学の世紀」、「歴史の世紀」と呼ばれる時代であった。ガリレオ・ガリレイによって物理学の基礎付けに数学が導入されて以降、自然科学は飛躍的に発展する一方で、哲学は「大哲学」の地位を追われて、新○○派といった様々な哲学的立場が乱立してそれぞれの世界像が対立していたため、諸学の学問的基礎付けを求めて様々な研究が進められていた。
そのような時代背景の下で、特に数学・論理学の領域で、心理学主義・生物学主義的な、心理的現象から諸学を基礎付けようとする「発達心理学」が席巻していた。心理学主義とは、あらゆる対象の基礎を心理的な過程に基づけようとする試みである。
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