「脳死は人の死」 医療関係者、肯定は4割 厚労省委報告

(2006年04月27日)

007082006年04月27日朝刊3総合00300449「脳死は死の妥当な判定方法か」という問いに対し、臓器移植にかかわる病院の医療スタッフでさえ「妥当」との答えは約4割にとどまることが分かった。厚生労働省の臓器移植委員会で26日、厚労省研究班による調査結果が報告された。臓器移植法について「脳死を一律に人の死とする」など二つの改正案が国会に提出されているが、波紋を広げそうだ。
臓器提供を扱う10都道府県の31病院で医師や看護師など医療スタッフ7456人に聞いたところ、脳死による死の判定を「妥当」と肯定したのは38・6%。「わからない」が46・9%を占め、否定も14・5%いた。
26日の委員会で、研究班で調査にもあたった大島伸一・国立長寿医療センター総長は「がくぜんとした。根本的なところから考え直さないといけない」と報告した。
一方、脳死を人の死とする法改正に慎重姿勢の田中英高・大阪医大助教授(小児科)は「脳死状態でも、体は温かい。わからないと答えた人が多かったのは『脳死になっても死んでいないのでは』という疑問があるからではないか」と言う。