宗教家も交え、臓器移植の議論を(声)

(2000年10月06日)

011342000年10月06日朝刊オピニオン201400430歯科医師 有松美紀子(新潟市 42歳)
臓器移植法の改正に向けて論議が進んでいる。本人の意思がなくても、家族の同意があれば提供可能になるという点と、十五歳以下の子供にも適用されるという点がポイントである。
臓器提供は、提供者の善意によるものであるから、本人の意思が生かされないなら意味はないと思う。また、責任の取れない十五歳以下の子供の意思は無効というのが、現行法のベースになっている。もし十五歳以下の子供が脳死状態になったら、生前に子供が提供したいと言っていても、効力はないことになる。
移植法が改正されると、親が子供の臓器提供に同意すれば、親自身が子供の死を決定することになる。いくら親でも、人間の死を決定しても良いのであろうか。
どう考えても、臓器不足解消のための改正のような気がする。人間は物ではないのだから、倫理観、宗教観に基づいた議論がなされてもいいのではないか。法学者による研究班ではなく、医療関係者、宗教家も交えての考えを出して欲しいと思う。

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