アント・ファーム(チップ・ロード、ハドソン・マルケス、ダグ・マイケルズ)「cadillac ranch」

(1974年06月)

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1974年6月につくられた(cadillac ranch)は、1949年型クラブクーペから1963年型セダンに至るまで10台のキャデラックをテキサス州の小麦畑に、後部を上にして埋め込んだものだ。モーター駆動のバックホーとローテクの測量具を使って4日間かけて作り、5日目にお披露目となった。既製品と思わせるように、象徴的意味を持った大量生産のパーツが使われている。キャデラックと言えば1960年代のアメリカのステータスシンボルで、これを持っているということは財政的成功を収めたことを意味する。そのキャデラックを作品の単なる構成要素にしたことで、アント・ファームはその象徴的機能を打ち消したことに成る。この作品は一種の共同墓地の役割をしており、その環境汚染効果のみならず、社会的価値についてもコメントしたことになる。