【東芝】英ニュージェン社の株式60%を取得

(2014年01月14日)

仏電力会社GDFスエズGSZ.PAとスペインの電力会社イベルドローラ(IBE.MC)の合弁会社である
英原子力発電事業会社ニュージェンの株式60%を1億0200万ポンドで取得することで合意した。

http://jp.reuters.com/article/l3n0ko4gu-toshiba-to-buy-majority-stake-idJPTJEA0D02520140114

ニュージェン社の買収の件もAP1000の建設が関係しています。

東芝は仏電力会社GDFスエズGSZ.PAとスペインの電力会社
イベルドローラ(IBE.MC)の合弁会社である英原子力発電事業会社ニュージェンの株式60%を
1億0200万ポンドで取得することで合意した。

関連各社が14日明らかにしたところによると、
東芝傘下のウェスチングハウスは
英北部ムーアサイドで開発が進められている原発に原子炉「AP1000」を3基供給する。

2024年に1基目が稼働を開始する予定。

その後、2016年9月15日には、
英南西部ヒンクリー・ポイントでの原発建設計画に
英政府がゴーサインを出したことが報じられていました。

(時事ドットコム「東芝傘下ニュージェンCEO、英ヒンクリー原発承認を歓迎」9/16)

このAP1000という新型原発が東芝の原子力事業の核心を担っているわけですが、
その性能の是非とは別に、原発のコスト高がWH社の経営を脅かしています。

東日本大震災以前には地球温暖化対策とエネルギー開発を両立させる手段として
「原子力ルネサンス」が来たと世界で喧伝されており、これに乗った東芝が、
その逆風のあおりを受けているのです。

ブルームバーグの記事(2017/2/3)では規制強化がもたらす
原発コストの増加の現状が紹介されていました。

元米原子力規制委員会のレイク・バレット氏は
「原子力産業は厳格な規制基準、建設の複雑化、
業界全体の原発建設経験不足といった課題を抱えており、
これが建設費の上昇を引き起こしている」と指摘。

「何十億ドルもの資金が小さな社会的リスクを減らすために使われている。
複雑化した原子炉の設計がコストの状況を悪化させている」と話した。

世界原子力協会が今年発表したリポートによると、
欧米では原発建設コストが過去20年間で2-3倍に増加。

1998年には1キロワット当たり2065ドルだった米国の原発建設コストが
2015年には同5828ドルまで拡大。

欧州では2280ドルから7202ドルまで増えた。

(番狂わせの「原子力ルネサンス」、計画に遅れ相次ぎかさむ建設費用)

この記事では、フランスの原発メーカーのアレバ社による10年近くの建設が遅延し、
「フランス電力(EDF)が英南西部で手掛けるヒンクリーポイント原発には
EPR型原子炉2基が建設される予定で、その費用は最大180億ポンド
(約2兆5000億円)にかさむ見通し」だとも述べています。

(※仏フラマンビル原発は「コストは07年1月の建設開始時と比較して
3倍に増加している」という)。

世界各地で安全に対する要求水準が高まり、
規制強化によって原発事業のコストが上昇したため、
東芝のAP1000の前途には厳しい障害が立ちはだかっています。

なお、2017年に入り、東芝がニュージェン株を
売却しようとしているとも報じられましたが、
その後、2月1日には時事ドットコムのHPで
「東芝傘下のニュージェン:東芝は英原発建設にコミット」
と題した記事が公開されました。

この事業はまだ続いていくようです。

http://www.johoseiri.net/entry/2017/02/13/120016#液化天然ガスの巨額購入

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