【厚労省】障害者雇用のノルマを、外務省だけ減らす方針を固める。
(2019年11月29日)“義務達成難しい” 外務省の障害者雇用 人数減らす方針
障害者の雇用率の水増しが発覚し、
改善に向けた雇用計画を進めている中央省庁のうち、
外務省では
雇用の義務を果たすのが難しいとして、
厚生労働省の審議会は、
雇わなければならない障害者の数を
減らす方針を固めました。
中央省庁の
障害者の雇用率をめぐっては
去年、水増しが発覚して
法律で義務づけられた2.5%を下回る事態が相次ぎ、
このうち外務省は
ことし6月1日時点で
1.03%と
中央省庁の中で
もっとも低くなっています。
厚生労働省の審議会で
29日示された案によりますと、
外務省は
大使館など
海外で勤務する特殊性などから、
障害者の雇用の義務を果たすのが
難しいとしています。
そのうえで、
雇わなければならない障害者の数を
算出する際の全体の職員の数から
海外に勤める職員を除外する
としています。
外務省の職員は、
およそ6500人のうち
半数近くが海外勤務で、
除外すれば
雇用しなければならない障害者は
現在のおよそ160人から
80人ほどに減ることになります。
この措置は
5年間の限定で
その間に雇用を増やすための対策を進めるとしていますが、
審議会の委員からは
「本来であれば
今の条件で達成できるよう
努力することが大事だ」
などといった意見が出ていました。
厚生労働省は
審議会の方針を踏まえて
必要な政令の改正を
検討することにしています。
専門家「世の中の流れに逆行」
障害者の就労支援に詳しい
慶應義塾大学の中島隆信教授は
「民間企業も含めて
はじめから『この仕事は障害者にはできない』と決めつけて、
除外するのは
なくしていこうというのが
世の中の流れなのに、
今回示された方針は
それに逆行すると
言わざるをえない」
と指摘しました。
また、中央省庁で
性急に障害者雇用が進められている
としたうえで、
「本来であれば、
職場の中で
障害者がどのような仕事につくことができるのか、
できないことがあれば
どうすればできるようになるのか
じっくり議論して、
徐々に雇用を増やしていく必要がある。
中央省庁は
民間企業の手本となるべき存在なので、
雇用率が達成できないのであれば、
それを認めたうえで理由を説明し、
達成に向けて
時間をかけて努力すべきだ」
と指摘しました。
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