【厚労省】氷河期世代に限り、年齢を制限した採用を原則禁止とする検討を始める。

(2019年12月07日)

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厚生労働省が
バブル崩壊後に就職難だった「就職氷河期世代」の
就労後押しを目的に、

原則禁止の年齢を制限した採用活動を
この世代に限り全面解禁し、

民間の就職サイトや
企業が手掛ける募集でも可能とする
検討を始めたことが七日分かった。

氷河期世代を対象にした求人については
八月、
ハローワーク経由に限って容認していた。

来年早々にも拡大させる。

現在、三十代半ばから四十代半ばに当たる
氷河期世代の採用を巡っては、

兵庫県宝塚市が
今夏に行った求人に
約六百倍もの応募が殺到。

政府も十一月、
国家公務員の中途採用枠で
重点的に採用することを決めた。

社会全体で支援の機運を盛り上げるために
民間の採用活動でも
規制緩和による環境整備が必要と判断した。

企業が求人や採用をする際、
年齢差別を防ぐ観点から
年齢条件を付けることは法律で禁じているが、

六十歳以上の高齢者や、
国の雇用促進策の対象者など
省令で定めた場合は
例外として認めている。

厚労省は氷河期世代についても
省令での規定を検討している。

今回の全面解禁によって、
職業紹介を扱う会社や就職サイト、
就職情報誌などによる求人、
採用予定企業が自ら行う求人で
年齢の制限が可能になる。

募集の際に年齢制限を認める条件として、
長年無職の人や希望がかなわず
非正規で働く人を対象とする。

非正規や無職の期間が長かった人は
これまで、
一般的な求人では
門前払いされるケースが多かった。

一方、人手不足を背景に
経験が乏しくても
正社員で雇用したいという企業が増え、
双方のマッチングが課題だった。

政府は
今回の氷河期限定採用の全面解禁も含めて
非正規労働者の安定就労支援や
引きこもり対策を盛り込んだ行動計画を
十二月中に取りまとめる予定だ。

<就職氷河期世代>

就職難だった1990年代半ばごろから
約10年間の「就職氷河期」に大学などを卒業し、
非正規雇用で働かざるを得ない人が続出した
現在30代半ばから40代半ばごろの世代とされる。

非正規雇用の期間が長く、
十分な能力を身に付ける機会がなかったため
安定した職業に就けていない人や
自信を失って引きこもりになった人も多い。

政府は6月にまとめた経済財政運営の指針
「骨太方針」で集中的な支援を打ち出した。

非正規労働や引きこもりの状況にある
約100万人を対象に、
3年間で正規雇用を約30万人増やす
という目標を掲げている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201912/CK2019120702000271.html

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