【最高裁】昨年の自己破産は、7万3095件と、キャッシュレス化の影響で増加傾向。
(2020年02月18日)借金が返済できなくなった人が
自己破産した件数は、
去年1年間におよそ7万3000件と、
2年連続で7万件を超え
増加傾向が続いています。
専門家は
「返済能力が不十分なのに
安易にカードローンなどを利用するケースがあるほか、
キャッシュレス化で
家計の状況を
きちんと把握できていない人も
多くなっている」
と分析しています。
最高裁判所によりますと、
借金を返済できなくなった人などが
全国の裁判所に
自己破産を申し立てた件数は、
このほどまとまった速報値で
去年1年間に
7万3095件と
2年連続で
7万件を超えました。
自己破産の件数は、
景気の低迷が続き
違法なヤミ金融が多かった2003年に
およそ24万件とピークに達し、
その後、
消費者金融に対する規制などで
減少が続いていましたが、
2016年から増加に転じています。
要因の1つとして、
返済能力が不十分にもかかわらず
安易に銀行のカードローンなどを利用するケースがあり、
多重債務につながっている
と指摘されています。
ニッセイ基礎研究所の井上智紀主任研究員は
「一部の銀行のカードローンで
過剰な融資が行われていることや、
キャッシュレス化が進んで
家計の状況を十分把握せずに
借金をする人が多くなっている
ことが背景にある。
さらに、
働き方改革の影響で
給料の手取り額が減り
生活費の足しに
借金をするケースもある」
と分析しています。
自己破産した男性
「スマホはお金を借りやすい」
借金が返せなくなり
去年、自己破産をした50代の男性は、
スマートフォンで
ローンを申し込んだのをきっかけに
多重債務に陥ったといいます。
男性は
「直接、担当者と会うこともなく、
ボタンを押せば手続きができるので
スマートフォンの場合は、
お金を借りやすい。
深夜でも借り入れの申し込みが可能なので、
つい手を出してしまった」
と話しています。
また別の30代の男性は、
銀行のカードローンを利用して
借金が膨らんでいったといいます。
男性は
「もともとカードローンを申し込んだわけではなく
『使わなくてもいいので契約しませんか』
と銀行の担当者に言われて契約した。
ちょっとしたことでお金が必要になり、
少し借りては返すということを繰り返して
最終的に返せなくなった。
審査が簡単だという印象はあった」
と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200218/k10012290751000.html
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