東電の武藤栄元副社長が出廷し、津波対策の先送りを否定。

(2018年10月17日)

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東京電力福島第1原発事故で、
業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の公判が
17日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。

16日に続き
元副社長武藤栄被告(68)の被告人質問が行われ、
元副社長は

「(津波対策をしていても)
事故が防げたのか、分からない」

と述べた。
検察官役の指定弁護士などによると、
東電は、地震で原発に到達が想定される津波高を試算し、
2008年3月、「最大15.7メートル」との結果を得た。

元副社長は、試算結果に基づいて津波対策を講じていた場合に
事故を回避できたか問われ、

「具体的な対策は決まっておらず、
防げたか分からない。

計算と今回の津波は規模が違う」

と返答。

当時を振り返り、
「最善の努力をしていた」とも述べた。
武藤元副社長の説明では、
08年7月に担当者から
試算結果の説明を受けた際、
試算の前提となった
政府機関の地震予測「長期評価」が示していた見解について、
外部の学会に研究を委ねるよう発言。

津波対策は、研究を待ち
検討することに決まった。
翌8月、こうした経緯について、
上司で原子力・立地本部の本部長だった元副社長
武黒一郎被告(72)に報告。

その後は、一度だけ担当者に

「福島の津波(予測)はどうなっているか」

と確認しただけで、
誰とも津波対策の議論をしなかったという。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018101700156

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