ドイツで、人気ユーチューバーが「CDUの破壊」と題した動画を公開。

(2019年05月19日)

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ドイツで5月26日に行われた
欧州議会選挙の約1週間前、

青く髪を染めた若い男が
「CDUの破壊」というタイトルの動画を
インターネットにアップした。

文字どおり、
与党・キリスト教民主同盟(CDU)による
過去14年間の「破壊行為」を
誇張気味に糾弾する内容だった。

ネット上で「レゾ」と名乗る若者の正体は、
26歳の映像プロデューサー。

ミュージシャン、エンターテイナーとして人気を集め、
メインの YouTube チャンネルには
160万以上のフォロワーがいる。

この政治色の強い動画は、
実際にCDUが欧州議会選で不振だったこともあり、
かつてはアンゲラ・メルケル首相の下で
無敵に見えた「最強の党」を動揺させた。

そして、ドイツ国民の間に
同党の未来に対する疑念を
呼び起こすことになった。

長年ドイツ政界を支配してきた中道右派のCDUは、
特に若い有権者の間で
支持の低下が目立つ。

もっと右に路線を修正して
出血を止めようとしたが、
支持率低下に歯止めがかからない。

一方でメディア戦略は
ほとんど変わらないまま。

レゾの動画は
同党のコミュニケーション能力の低さを
浮き彫りにした。

動画では3つのポイントを挙げてCDU糾弾する。

まず、CDUの政策は
所得格差の拡大と
社会的流動性の減少の原因になっていると、
レゾは主張する。

第2に、ドイツ南西部のラムシュタイン空軍基地を
中東での戦争の中継地にするアメリカに
抵抗しなかったCDUと、
連立を組む中道左派の社会民主党(SPD)は、
どちらも戦争犯罪の共犯だと非難する。

そして何より、
保守的で無能で腐敗した政治が
地球温暖化対策の障害になっている
という第3の主張だ。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12464_1.php

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