テキサス州エルパソにあるウォルマートで、ヒスパニックが嫌いな男が銃を乱射。

(2019年08月03日)

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米テキサス州エルパソ(El Paso)で3日、
自動小銃を持った男が
ショッピングモールにある
米小売り大手ウォルマート(Walmart)の店舗などで
買い物客に向けて発砲した。

同州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)知事は、
この事件で20人が死亡したと発表した。

エルパソ警察によると、
死亡者の他に26人が負傷した。

米メディアは、
テキサス州への「ヒスパニックの侵略」に
反対する記述がある「マニフェスト」が
インターネットに投稿されているのが見つかったと報じ、
容疑者との関連を取り沙汰している。

エルパソ警察は、
憎悪犯罪(ヘイトクライム)だった可能性も視野に
捜査していると明らかにした。

エルパソはメキシコ国境に近く、
米国勢調査によると人口68万人で、
その83%がヒスパニック系だ。

テキサス州当局の発表に先立ち、
現地のテレビは
15~20人が死亡し、
数十人が負傷したと伝えていた。

テキサス州のケン・パクストン(Ken Paxton)司法長官は
CBSニュース(CBS News)に対し、
この銃撃で
「15~20人が死亡した」と語っていた。

一方、NBCニュース(NBC News)は、
法執行機関関係者の話として、
19人が死亡、40人が負傷したと伝えた。

ABCニュース(ABC News)は、
法執行機関の情報として、
少なくとも18人が死亡、
数十人が負傷したと伝えていた。

各種報道によると、
負傷して病院で治療を受けている人の年齢は
2~82歳だと伝えられている。

一時、3人が拘束されたという情報もあったが、
エルパソ警察は、
20代の白人の男1人を容疑者として拘束したと明らかにし、
この男単独の犯行だったとの見方を示した。

防犯カメラが捉えた画像によると、
男はAK47(カラシニコフ自動小銃)
のようなものを持っていた。

米メディアは、
拘束されたのはダラス(Dallas)郊外在住の
パトリック・クルシアス(Patrick Crusius)
容疑者(21)だと報じている。

テキサス州知事から報告を受けた
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、
ツイッター(Twitter)に

「報告(の内容)は非常に悪い。

多くの人が殺された」

と書き込んだ。

この1週間米国では
銃犯罪が相次いでいた。

先月28日には
カリフォルニア州で開かれていた
ニンニクに関する催し
「ギルロイ・ガーリック・フェスティバル
(Gilroy Garlic Festival)」

の会場で
19歳の男が銃を乱射し、
子ども2人を含む3人が死亡した。

先月30日にも
ミシシッピ州のウォルマートの店舗で
2人が死亡、警察官1人が負傷する
銃犯罪が起きていた。

https://www.afpbb.com/articles/-/3238326

現場となったのは、
メキシコ国境に近いショッピングセンター
「シエロ・ヴィスタ・モール」に並ぶ
小売店ウォルマートの店舗。

報道によると、最初の通報の約20分前、
オンライン掲示板に犯行声明が投稿されていた。

オルタナ右翼に人気のオンライン掲示板「8chan」に、
容疑者が投稿したとみられる、
匿名の白人国家主義「マニフェスト」は、
今回の襲撃は
地元のヒスパニック系住民を標的にしたものだと
4ページにわたり主張していた。

「文化的、民族的侵略」が、
米国内のヒスパニック系によってもたらされたと
ほのめかしている。

さらに今年3月、
ニュージーランド・クライストチャーチで
2カ所のモスク(イスラム教礼拝所)が襲撃され、
約100人が死傷した事件についても、
支持も表明している。

https://www.bbc.com/japanese/49231053

エルパソでの乱射事件から
約13時間後の4日未明には、
中東部オハイオ州でも銃撃事件が発生。

銃撃犯の妹を含む9人が死亡、
少なくとも27人が負傷した。

24時間の内に
2件の乱射事件が発生したことを受け、
ドナルド・トランプ米大統領は4日、
記者団に対し、
銃乱射事件を防止するためには
「もっと対策が必要かもしれない」と述べた。

「この国に憎悪が存在する余地はない。

我々はこの問題を解決する。

これはもう何年も、何年も何年も
この国で続いている。

止めさせなくてはならない」

続いてトランプ氏は、
2件の事件には、
「精神疾患の問題」とのつながりがある
と主張した。

「両方の事件を見れば、
これは精神疾患だ。

非常に、非常に深刻な
精神疾患のある人物が関与している」

https://www.bbc.com/japanese/49231053

オバマ氏は5日、

「私たちは、
指導者の口から出てくる
恐怖や憎悪を増幅させたり、
人種差別的な考えを普通のことのように正常化したりする言葉を、
きっぱり拒絶すべきだ。

自分たちと見た目の違う人を悪者扱いする指導者、
あるいは移民を含めた他人が
私たちの暮らしを脅かすと示唆するような指導者、
あるいは他の人間を人間以下呼ばわりするような指導者、
さらにはアメリカが
たった一種類の人間のものだと示唆するような指導者を」

と、異例のコメントを発表した。

「このような物言いは新しくない。

歴史を通じて
ほとんどの人間の悲劇の根本には、
こういう発言があった。

ここアメリカでも、世界中でも。

奴隷制度の根本で、
(南北戦争以降、1964年まで米南部にあった人種差別的法律の総称)
ジム・クロー、ホロコースト、ルワンダの大虐殺、
バルカンの民族浄化の根っこにも
こうした物言いがあった。

私たちの政治や公的生活に、
まったくあってはならない。

そして今こそ、
善良な圧倒多数のアメリカ人、
あらゆる人種と信仰のアメリカ人が
支持政党を問わず、
このような物言いはあってはならないと、
はっきりきっぱりと言うべきだ」

と、オバマ氏は書いた。

https://www.bbc.com/japanese/49246274

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