(政策ウオッチ)臓器移植法改正 試される立法府の決定力

(2009年06月17日)

004422009年06月17日朝刊政策総合00500418文字 臓器移植法改正4法案の衆院採決が目前に迫っている。臓器移植をめぐり、脳死の位置づけや提供者の年齢制限をめぐって意見が分かれ、多くの政党が党議拘束をかけない方針だ。採決は記名投票となる見込みで、各議員が難しい判断を迫られている。
議論が熟さないままの採決に戸惑う声は多い。加えて、個人の倫理観、支援団体との関係、提出者の言動に対する反発などが複雑に絡み合って、議員の判断を難しくしている。そのため、いずれの案も過半数票の見通しは立っていない。このままいくとすべての案の否決もあり得る。
臓器移植法の問題点は、以前から指摘されていた。生命にかかわる重要法案を、会期末を控えた時期に駆け込みで議論し、採決するのが適切だったのか。もっと早く取り組むべきではなかったのだろうか。
法案の改正を待ち望んでいる人がいる。そのことを忘れずに、国民の代表としてできるだけ早期に解決策を見いだしてほしい。立法府としての決定力が問われている。(山尾有紀恵)

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